塾屋の授業技術(高校数学メイン)

塾で20年以上働いた塾屋が、高校数学メインにつぶやきます。

No.001 筆記速度も学力のうち①

皆さん、こんにちは。塾屋です。

このブログでは、数学を楽しく教えるための情報を発信していきたいと思います。

このブログを始めたきっかけについて話します。塾をやっているといろいろな高校や他塾の授業の情報が入ってきます。で、「ああ、〇〇の先生は頑張っているな」ということもありますが、どちらかというと「先生、聞いて下さい。〇〇の先生は・・・」という残念な情報がとても多いんです。まあもちろん、生徒たちは塾屋に気を使っているのでしょうが、それを差し引いても多いんですよ。

さて、残念な授業は、なぜ起きるのでしょうか。ざっくり、次の3つに分類してみます。
(1) そもそも、問題が起きていることに本人が気づいていない。
(2) 授業技術の向上意欲がない。
(3) 授業技術の向上意欲はあるが、時間がなく改善行動がとれない。または情報のソースがない。

(1)、(2)の方は、こういうブログを読まないと思いますから、(3)の方を対象の中心に綴っていくことにします。もちろん、このブログで刺激を受けた(1)、(2)の方が(3)に変わるのであれば、それは重畳極まりないことですが。

挨拶は以上として、本題です。

「筆記速度も学力のうち」と書きましたが、このタイトルを見てピンと来ている人はそれなりの猛者と言えます。というのも、筆記速度の重要性を甘く見ている教師が年々増えているからです。

数学は、すべての教科で最も筆記量が要求されます。よって、数学力を涵養していくには筆記速度が非常に重要になります。実際、偏差値60の生徒と偏差値40の生徒では、筆記速度が倍以上違います。誤解しないでほしいのは、この筆記速度というのは問題を解く速さのことではないですよ。単純な、ノートを写す作業においてのことです。

これ、当たり前と言えば当たり前のことなんですよね。筆記速度が速ければ、単位時間当たりの学習量は増えます。それが増えれば学力は必然として高まりますからね。また、学習量が増えれば、筆記速度も鍛えられていきますからね。筆記速度とは、学習を進めていくうえでの基礎体力なんです。

こういう「当たり前」が、今は全く流行りません。でも、本来、勉強って泥臭いものですよね。流行っていることが正しいわけではありませんし。

まだ筆記速度については書きたいことがあるのですが、長くなったので次に行きます。