塾屋の授業技術(高校数学メイン)

塾で20年以上働いた塾屋が、高校数学メインにつぶやきます。

No.002 筆記速度も学力のうち②

皆さん、こんにちは。塾屋です。「筆記速度も学力のうち」の続きです。

で、塾屋が何を憂いているかというと「書き込みサブノート授業」です。「書き込みサブノート授業」は、塾屋は基本的には推奨しません。その理由は次の通りです。

(1) 作成の手間がかかる。
(2) プリントの保管が面倒。
(3) 筆記速度の向上の圧力がない。
(4) 「教科書orテキストの例題をそのまま扱う」という教師側のスキルが育たない。

(1)から話します。書き込み式プリントは、いくらでも工夫できます。が、その労力を使うくらいなら、予習や授業計画に回したほうがいいと思います。あと、指導的立場にいる教師は、若い教師に書き込み式プリントを薦めたりすると、その教師の労働がブラック化して、つぶれる原因にもなりかねません!

(2)ですが、自分も若いころはプリントをよく使っていたのですが、生徒に保管させるのが難しいと悟り、配るプリントは基本「使い捨て」のつもりで配っています。どうしても保管させたいものは、冊子にして配るべきでしょう。

(3)は当たり前で、写す時間を稼ぐために書き込みプリントにしているわけなので、生徒の筆記速度は向上しませんよね。

(4)については、授業技術の根幹に関係することなので、次の記事にします。


あと、気になるのは「映像授業」の影響です。はっきり言いますが、ちゃんとしたライブ授業に、映像授業はかなうはずがないんです。ところが、ライブ授業を行う教師のスキルが不足しているがために、映像授業の価値が相対的に高まっている、というのが現状なんです。で、最近、スタディサプリの映像授業の利用を高校が呼びかける、という話を聞くんですが、これはつまり自分の高校のライブ授業がダメだ、と言っていることに他ならず、開いた口が塞がりません。
もちろん、映像には「電車内でも使える」「繰り返し使える」などのメリットはありますが、筆記速度の向上に関してはマイナスです。映像をメインにするのは、特に数学では危ないと感じます。