塾屋の授業技術(高校数学メイン)

塾で20年以上働いた塾屋が、高校数学メインにつぶやきます。

No.009 速ければいいというものではない!

皆さん、こんにちは。塾屋です。

今回は「速ければいいというものではない」についてです。生徒に学校で何をやっているかを聞くと、「授業が速くて何言っているかわからない」という答えがよく帰ってきます。これは、いくつかの理由が考えられます。

①根本的に授業技術がつたない。
②すべての問題を扱おうとしている。
③「演習を繰り返すことが重要なので、導入は速くやるに越したことはない」と勘違いしている。

ここで問題にしたいのは③です。現在蔓延している誤解は、「理解がつたなくても、繰り返せばできるようになるし、理解も深まる」というものです。これはある意味で正しいんですが、それでも程度問題で、さっぱり理解できていない状態で繰り返しても、それは暗記でしかありません。一昔前「数学は暗記だ」という本が流行りましたが、あれはちゃんと読むと「理解してから繰り返そう」という当たり前のことしか書いていません。そもそも、受験勉強のノウハウを語る人は基本的に頭がいいので、まさか「理解せずに繰り返している」人がいることが理解できないんですよ。

まず、ちゃんと導入をすることが最優先です。その上で応用をカットしても、あとで取り返せます。逆は成り立ちません。しっかりとわからせることです。

あと、ここまで書いて思ったのが、教科書の傍用問題集、全部解説動画があると授業戦略が変わるかもしれませんね。だって、あの解説、普通の学習者は理解できませんからね。